はじめに
XREAL One Pro は、XREALの現行フラッグシップARグラス。57°の広視野角、映り込みを大幅に抑える新光学「X‑Prism」、そしてX1チップによる単体3DoF(画面の空間固定)対応で、没入感と使い勝手を根本から引き上げました。
主な進化ポイント
- 視野角57°:Air系の“覗き穴感”を解消し、大画面の迫力が段違いに。
- 新光学「X‑Prism」:下方の映り込み/反射を大幅低減。明るい環境でも見やすい。
- X1チップ内蔵:グラス単体でネイティブ3DoF。外部デバイスなしで空間固定。
- 表示/応答:0.55インチMicro OLED(片目1080p)×最大120Hz、最大約700ニト、M2P約3msで滑らか。
- サウンド/調光:Bose監修の音質と3段階の電子調光を搭載。
- サイズ/重量:約87g。IPDに合わせM(57–66mm)/L(66–75mm)の2サイズ展開。
使って感じる改善点
- 没入感:57°FOVで“持ち運べる映画館”感が一気に増加。
- 空間固定の安定性:3DoFの追従が安定し、視線や姿勢の変化でもブレにくい。
- 反射対策:旧機種で気になった映り込みがほぼ解消。屋外/明所でも快適。
気になる点と注意
- 解像感(PPD):視野角拡大の代償で細かなテキストはやや粗く感じる場面あり。別売XREAL Eyeの6DoF近接で多くは解消。
- 長時間装着:鼻・耳・目の負担はゼロではない。2–3時間刻みの運用が現実的。
- 発熱:眉間/テンプル部がほんのり温かい。暑い環境では体感上がりやすい。
- 有線前提:ケーブル取り回しは賛否。ただし給電面の利点も。
- 眼鏡ユーザー:重ね掛けは窮屈。度付きインサート(One Pro専用)推奨。
- 移動中:電車/新幹線のカーブでは3DoFがドリフトしやすい。状況に応じて追従モードに切替。
旧モデル/競合との比較
- One/Air系:視野角と光学で“見え方”が段違い。X1で単体3DoF化し実務の快適度が大幅向上。
- VRヘッドセット(Vision Pro/Quest等):解像度/6DoF完成度はVR勢が上。携帯性/身軽さは87gのグラス形状に軍配。
- 次世代「Project Aura」:70°級FOVと更なる強化が予告。最高を待つか、今の完成度と価格バランスで選ぶかの分岐。
使えるシーン
- 映画/ゲーム:120Hz対応で迫力と滑らかさ。プライバシー性も高い。
- PCワーク:21:9/32:9のワイド表示でマルチタスク快適。細かい作業は6DoF近接で視認性確保。
- どこでも:ソファ/ベッド/カフェ/出張先で“自分だけの大画面”を召喚。
接続のヒント
- ゲーム機:PS5/Switch等はHDMI→USB‑C変換が別途必要。
- スマホ:iPhone/Androidとも有線で実用的。iPhone接続中は本体画面が点灯し続けるため消費増に注意。
- まずは試用:価値は体験してこそ。量販店などでの試用がおすすめ。
まとめ
57°の広視野角と新光学で“見え方”を刷新し、X1による単体3DoFで“使い勝手”まで底上げ。解像感やケーブル運用、眼鏡対応といった配慮点はあるものの、今すぐ“携帯大画面”を最良バランスで手にしたい人に強く勧められる一台です。